道を訊かれる方向音痴

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私は方向音痴です。行きたい方向の反対側に行ってしまうことがありますし、ちょっと造りが複雑な個室居酒屋などで、自分のいた部屋を探すときなど、ドキドキすることもあります。

しかし、そんなことは知らない通りすがりの人から、よく道を訊かれるのです。今日も50代くらいの女性に呼び止められて、「ここに行きたいのですが」とスマートフォンの画面を見せられました。

画面に出ている地図には、病院の名前が出ていたので、すぐそばの大きな病院のことだろうと、「この病院はすぐそこですよ。」と答えました。そのあとすぐに、この医療法人にはもう一つ別の建物が近くにあることを思い出し、もう一度画面を見て、「あ、違います。向こうですね」と指さしました。

女性が怪訝そうな顔をしていたので、「病院に行きたいのですよね」と確認すると、「いえ、〇〇ビルです」とのこと。もう一度画面を見ると、検索欄に住所とビル名が入力されていました。知らないビルとなると急に難易度が上がってきます。女性は地図を見ながら「ここにローソンって書いてあるけど、向こうにローソンありましたよね」と。

コンビニって、都市で目印にするには店舗数が多すぎませんか。交差点の向こう側とこちら側にあるコンビニがローソンなんだか、ファミリーマートなんだか記憶があいまいになり、はっきり答えるのが難しくなりました。でも女性がスマートフォンの地図を見ながら自分が交差点のどちら側にいるのかわからなくなったのは、方向音痴の私には気持ちがよくわかります。画面を見て、目指すビルの方角を確認してから、戻って交差点を渡り右折するはずだと伝えました。

そこで、女性が再確認するように「渡って右に行けばいいんですね」と言ったのですが、私はその声に含まれていた間違いないわよね、という雰囲気に怖気づきました。口をついて出たのが、「その交差点に交番がありますから、そこで訊けばもっと正確にわかると思います」という言葉。

すると、女性はこちらが驚くくらい大きな声で「あ~そうですよね!」と言いました。おそらく交番の前も通って来たのでしょう。でもスマートフォンの画面を見ていて、交番で訊くということを思いつかなかったのか忘れていたのか。なぜ、そうしなかったのだろう、というような言い方でした。確かにスマートフォンで何でも自分で調べるのが当たり前になってきて、地図も持ち歩けるようになると交番で道を訊くことは減りました。新しい方法が日常になると、以前のやり方はだんだんと忘れられていくものなのかもしれません。
ともあれ、女性が無事に目的地のビルに到着していますように。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人
神山 朋香

よろこびむすび主宰。公務員として消費者教育や労働福祉の普及事業等に従事した後、農業ウェブメディアのライターに転身。現在はコンサルティング会社で仕事をしている。2005年と2008年に出産。仕事をしながら子育てをする人を応援したい気持ちから、2019年に保育士、2023年に国家資格キャリアコンサルタントの資格取得。副業で保育園に勤務した経験有り。

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